策士、策に溺れる 2008 8 30
過去のことを書くのは、歴史家で、
未来のことを書くのは、予言者でしょうか。
しかし、これでは、警鐘を鳴らしても意味がない。
原油相場が作る歴史 2006 5 11
後世の歴史家は、こう書くだろう。
原油相場の高騰で、中国の覇権を牽制することができたが、
相対的に、ロシアの台頭を招いたと。
そして、結果的に、国際社会におけるアメリカの国力は、低下した。
策士、策に溺れる。
原油相場 oil price 2006 2 11
アメリカでは、株式市場だけでなく、
一般の人までも、原油価格の高騰を嫌うでしょう。
しかし、現在の状況では、原油価格が崩壊したら、
アメリカ経済も、崩壊するでしょう。
アメリカ経済のポイントは、「ドル」と「財政赤字」です。
「強いドル」を維持し、「財政赤字による破綻」を避けなければならない。
現在、基軸通貨は、ドルであり、
しかも、石油決済通貨も、ドルです。
つまり、原油高の時代は、結果的に、
「強いドル」を維持し、「財政赤字による破綻」を避けることができるでしょう。
石油決済通貨が、ドルならば、ドル相場を安定させることができ、
利便性を考えれば、オイルマネーの運用は、とりあえず、米国国債で運用するでしょう。
そういうわけで、10年前のように原油価格が低迷すると、
アメリカ経済は、崩壊する可能性があるのです。
また、原油高には、別の意味もあるでしょう。
それは、原油高によって、中国の覇権を牽制することができるのです。
中国は、日本のように、省エネルギー大国ではありません。
だから、原油高は、中国の覇権を抑制する効果があるかもしれません。
もちろん、これらの見方は、あくまでも推定です。
しかし、こうした推定が正しければ、
アメリカ国民は、「原油高を放置している」として、
ブッシュ政権を批判することはできないでしょう。